赤ちゃんにやさしい家族・企業 5カ条


2015年10月15日、3・3産後サポートプロジェクトは、キックオフフォーラム(主催:ファザーリング・ジャパン)を開催し、参加者の声も取り入れ、「赤ちゃんにやさしい企業5カ条」「赤ちゃんにやさしい企業5カ条」を作成しました。

今後はこの5カ条を広げ、産後のママのサポートが家族、企業で充実するよう、行政、企業、産後ケア施設、子育て支援団体などと一緒に活動を広げていきます。


赤ちゃんにやさしい家族5カ条

 

1.産後の女性のカラダについて知識を深めます

 

2.赤ちゃんがいる生活をイメージし、父親の育休取得を含め、

  産後3カ月のサポート計画を、祖父母を含めた家族で立てます

 

3.妊娠中に産後ケア、子育て支援情報の収集、見学をし、

  産後、家族の手では足りない場合は、外部サービスを利用します

 

4.妊娠中から早起きを心がけ、朝ご飯を家族で食べます

 

5.妊娠中から夫婦・家族で近所を散歩し、産後1カ月健診でOKがでたら

赤ちゃんも一緒に再開します。


赤ちゃんにやさしい企業5カ条

 

1. 産後ママにとって家族のサポートが不足する時期(産後3カ月間)は、

そのパートナーたる父親(社員)の育休・有休(年休)取得を促進します

 

2.子が最低生後3カ月まで、父親(社員)の定時退社を促進します 

 

3. 自社内においてママ、パパネットワーク作りを推進し、

とくに妊娠?産後3カ月の社員への、先輩パパママ社員からの声かけを推進します

 

4. 社員に自分のカラダ、現在の妊娠・出産、不妊治療などについて学ぶ機会をつくります 

 

5. 産後ケアサービスの助成、孫育て休暇の導入などを検討し、必要があれば実施します

 

5カ条ついて寄せられたご意見

まず、私たちが案として提示した「赤ちゃんにやさしい家族 5カ条」 「赤ちゃんにやさしい企業 5カ条」について、10/15のフォーラムで、またその後にも、皆さまから下記のようなご意見をいただきました。


■家族5カ条について

タイトルに「産後ママ」という言葉を入れてはどうか?

父親の育休だけでなく、有給も取れるようにするべき!

産後のママの体について理解する

情報収集だけでなく、施設等は見学をしておくとよい

産後のお出かけには、個人差があると思います。外出を推奨するの??

ママがひとりになれる時間を作る

母になった女性は素晴らしいと声をかける

ねぎらいの言葉をかける

住まい(環境)を整える

赤ちゃんの欲求を知る


■企業5カ条について

タイトルは、「赤ちゃんのいる家族にやさしい企業」にしてはどうか?

産後ケアの費用を助成する

上司からの業務命令にする

定時退社だけでなく、17時以降に会議を入れない、飲み会に誘わない

「(仕事の効率性を高め、)育休の取得、定時退社しやすい職場マネジメント力をつけます。」

妻が妊娠、産後3カ月は転勤を控える

1歳のお誕生日は、仕事はお休みにする



「赤ちゃんにやさしい家族5カ条」にこめられた想いとは?

上記のご意見を取り入れ、再考を重ねまして、下記5カ条に決定させていただきました。

 

【赤ちゃんにやさしい家族5カ条】

…タイトルにつきましては、様々なご意見をいただきましたが、「母親だけでなく、父親、企業に声を届けたい」「赤ちゃんを取りまく、全ての立場の方たちに広く届くように」との想いから、こちらのタイトルで決定させていただきました。

 


1、「産後の女性のカラダについて知識を深めます」

…10/15に会場で出たご意見を、新たに取り入れさせていただきました。産後の女性の体はボロボロで、ホルモンバランスも大きく変化します。「妊娠・出産は病気じゃない」とはいうものの、産後は重症患者と同じ状態なのです。授乳による睡眠不足が続き、悩み、不安、ストレスがたまると、「産後うつ」「産後クライシス」「離婚」「乳幼児虐待」と負のサイクルに陥ることも多いため、まずは「産後の女性のカラダについて、家族みんなが知る」ことが大切だと考えます。

 

 

2、「赤ちゃんがいる生活をイメージし、父親の育休取得を含め、産後3カ月のサポート計画を、祖父母を含めた家族で立てます」

…核家族化が進み、赤ちゃんが身近な存在でない現代の母親にとって、「泣く、寝ない赤ちゃんとの二人きりの時間は、周りが想像する「うれしい」「かわいい」「幸せ」というイメージとは大きく異なっていた」というギャップが生まれています。出産前から、家族みんなで赤ちゃんが生まれてからの生活のイメージを共有し、産後3ヶ月まで誰かしらがママをサポートできるように、事前に話し合うことが大切だと考えます。

 

 

 3、「妊娠中に産後ケア、子育て支援情報の収集、見学をし、産後、家族の手では足りない場合は、外部サービスを利用します」

…産後のママが安心できる環境で子育てができるように、妊娠中から「どんな産後ケアがあるのか?支援があるのか?」を知り、見学をしておくことが大切だと考えます。

また、晩婚化、晩産化、核家族化、定年退職年齢の引き上げにより、祖父母にサポートを依頼しようと思ってもできない夫婦もいます。その際は、民間の産褥サポートや、行政のファミリーサポートなど、外部サービスを利用することにより、産後ママをサポートしていくことが大切だと考えます。

 

 

4、「妊娠中から早起きを心がけ、朝ご飯を家族で食べます」

…子どもが生まれると、朝型の生活リズムになります。夜型で過ごしてきたご夫婦が、子どもが生まれてから急に朝型に変えようとすると、無理が生じバランスを崩しやすくなりがちです。また、「産後うつになると、朝起きられなくなる」というママのご意見も多かったため、妊娠中から早起きして、みんなで朝ご飯を食べることが大切だと考えます。

 

 

5、「妊娠中から夫婦・家族で近所を散歩し、産後1カ月健診でOKがでたら赤ちゃんも一緒に再開します」

…産後は部屋に閉じこもりがちになるので、赤ちゃんを連れて外の世界とつながることが大事だと考えます。ではいつごろから外に出たらいいのか?このことについては、「産後の回復状態にも、個人差があるのでは?」というご意見をいただき、「産後1ヶ月健診でOKがでたら」と加えさせていただきました。また、妊娠中から近所を散歩することで、ご近所の方とも顔を合わせる機会が増え、ご近所の方とネットワークを作っておくことが大切だと考え、「妊娠中から夫婦・家族で近所を散歩し」と変更させていただきました。

 

 

「赤ちゃんにやさしい企業5カ条」にこめられた想いとは?

【赤ちゃんにやさしい企業5カ条】

…文章全体にパパの目線も交え、企業が取り組みやすい表現に変更させていただきました。


 

1、「産後ママにとって家族のサポートが不足する時期(産後3カ月間)は、そのパートナーたる父親(社員)の育休・有休(年休)取得を促進します」

…「サポートが不足する期間って、特にいつなのか?」というご質問をいただき、「(産後3ヶ月間)と具体的な数字を明記させていただきました。パートナーの育休・有休(年休)取得の促進こそが、産後ママをサポートする大きな力になると考えます。


 

2、「子が最低生後3カ月まで、父親(社員)の定時退社を促進します」

…こちらも「最低生後3ヶ月まで」という具体的な数字を明記させていただきました。ただ、3カ月過ぎたらいきなり深夜残業になっても困りますので、「最低でも、生後3か月までは」という言葉にさせていただきました。3か月過ぎたらそれで終わりではなく、ワークライフバランスの恒常化を求めていきたいと考えます。



3、「自社内においてママ、パパネットワーク作りを推進し、とくに妊娠~産後3カ月の社員への、先輩パパママ社員からの声かけを推進します」

…「産後、急に地域でママ友・パパ友を作ろうとしても、なかなか1歩が踏み出せない…」と悩むママ・パパも多いことから、働くママ・パパは同じ環境で働く社内でネットワークをまず作り、社内の産後1〜3か月のママにこまめに連絡を取り、コミュニケーションをとることが大切だと考えます。また、妊娠中のママ(とそのパートナー)が、産後ママのお宅を訪問し、社内でリアルな子育ての情報交換をすることが大切だと考えます。



4、「社員に自分のカラダ、現在の妊娠・出産、不妊治療などについて学ぶ機会をつくります」

…たとえば産後うつになったママは、 復職することが難しくなります。そしてそのパートナーであるパパ、サポートする祖父母にも遅刻、欠勤が増加します。症状が改善しない場合は、休職、離職になるケースも少なくありません。なかには、サポートしていたパパがうつになってしまうことも・・。全ての世代が「自分のカラダ」について知り、「今の妊娠・出産とは、どんなものなのか?」と情報を共有し、理解を深めることが、産後ママのサポートをはじめ、自分自身の健康管理にも大きくつながると考えます。



5、「産後ケアサービスの助成、孫育て休暇の導入などを検討し、必要があれば実施します」

…晩婚化、晩産化による産後の体の回復の遅れ、授かり婚による出産、育児の準備不足、 核家族化、祖父母の高齢化などにより、産後サポートが受けられない家庭も増加傾向にあります。そういった家族に対し、産後ケアサービスを受けられるよう助成していくことが、社員の産後サポートにつながっていくと考えます。


 

5カ条の活用について

皆様の活動においても【赤ちゃんにやさしい家族5カ条】【赤ちゃんにやさしい企業5カ条】をご活用いただければ幸いです。

利用の際には、「出典:3・3産後サポートプロジェクト」の記載をよろしくお願いいたします。

また、ご活用の事例を、ご報告いただけましたら、HPにてご紹介していきたいと思っておりますので、ご連絡ください。